「入院してから急に体力が落ちた」「退院後、歩けなくなってしまった」——こうした変化を経験した方のご家族から、よく相談を受けます。これは「廃用症候群」と呼ばれる状態で、安静や活動量の低下が引き金となって起こる全身の機能低下です。

廃用症候群は、適切なケアを続けることで進行を防いだり、改善を図ったりすることができます。そのケア手段の一つとして有効なのが、在宅マッサージ(訪問マッサージ)です。本記事では、廃用症候群の基礎知識と、在宅マッサージによるケアの具体的な役割を解説します。

廃用症候群とは?

廃用症候群とは、病気やけが、手術後の療養などによって長期間身体を動かす機会が減り、筋肉や関節をはじめとする心身の機能が低下した状態です。日本リハビリテーション医学会でも、長期間の臥床によって関節拘縮や筋萎縮などの「使わないことによる運動障害」が生じることを廃用症候群として説明しています。

特に注意したいのが高齢者です。入院や療養をきっかけに活動量が大きく減ると、「入院する前は自分で歩いていたのに、退院すると立ち上がることが難しくなった」「以前よりベッドや椅子で過ごす時間が増えた」といった変化が見られることがあります。身体が動きにくくなることでさらに活動量が減り、それによって一層身体機能が低下するという悪循環につながることもあります。

廃用症候群の主な症状

廃用症候群による変化は筋力低下だけではありません。身体を動かさない状態が長く続くことで、筋肉・関節・循環機能だけでなく、精神面や日常生活にもさまざまな影響が現れることがあります。

筋力低下・筋萎縮

身体を動かす機会が減ると筋肉への刺激も少なくなり、筋力低下や筋萎縮が進みやすくなります。特に下肢の筋力が低下すると、立ち上がる、歩く、トイレへ移動するといった日常生活動作が難しくなり、さらに身体を動かす機会が減ってしまいます。

関節拘縮

同じ姿勢で過ごす時間が長くなると、関節やその周囲の組織が硬くなり、関節の動く範囲が狭くなる「関節拘縮」が起こることがあります。拘縮が進行すると、着替えや入浴、オムツ交換、体位変換などの介助が難しくなり、本人だけでなく介護するご家族の負担にもつながります。

骨や皮膚への影響

身体を動かさない状態が続くことは、骨や皮膚にも影響します。骨への負荷が少ない生活が続けば骨量の低下につながる可能性があり、また同じ姿勢で長時間過ごすことで皮膚の一部に圧力が集中し、褥瘡(床ずれ)のリスクも高まります。

意欲や認知機能の低下

活動の機会が減り、人との交流や外部からの刺激が少なくなることで、気分の落ち込みや意欲低下につながることもあります。「動かないから気力が出ない」「気力が出ないからさらに動かなくなる」という状態になると、身体機能の低下にも影響するため注意が必要です。厚生労働省も、生活不活発病では身体だけでなく心や頭の働きを含めた幅広い機能が低下するとしています。

起立時のふらつき

長期間ベッドで過ごしていた方では、起き上がったり立ったりした際に血圧が低下し、めまいやふらつきが起こることがあります。転倒につながる可能性もあるため、急に活動量を増やすのではなく、その方の身体状態に合わせて段階的に身体を動かしていくことが大切です。

廃用症候群の進行を防ぐために大切なこと

廃用症候群の予防や進行防止では、**「動ける範囲で身体を動かし、生活全体の活動量を維持すること」**が基本になります。厚生労働省も、生活が不活発になることによって身体機能が低下し、その結果さらに「動けなくなる」という悪循環に注意を呼びかけています。

ただし、廃用症候群が疑われる方の中には、病気や麻痺、関節拘縮、体力低下などによって、自分の力だけでは十分に身体を動かせない方もいます。無理に運動させることが適切とは限らないため、医師やリハビリテーション専門職などと相談しながら、その方の状態に合ったケアを続けることが重要です。在宅マッサージも、こうした継続的な身体ケアを支える選択肢の一つです。

在宅マッサージが廃用症候群のケアに役立つ理由

① 関節を動かし、関節可動域の維持を目指す

訪問マッサージでは、身体状態に応じて関節を無理のない範囲で動かすケアを取り入れることがあります。自分では身体を動かしにくい方でも、施術者が状態を確認しながら関節を動かすことで、関節可動域の維持や拘縮の進行予防を目指すことができます。

関節が硬くなると、ご本人の動作が難しくなるだけでなく、着替えや清拭、入浴、体位変換などの介護もしづらくなります。そのため、現在動かせる範囲をできるだけ保つことは、生活のしやすさという意味でも大切です。

② マッサージで筋肉や血流へアプローチする

長期間身体を動かしていない方では、筋肉が硬くなったり、身体の一部にこわばりを感じたりすることがあります。在宅マッサージでは、状態に合わせて筋肉へ刺激を加え、血行の促進や筋緊張の緩和を目指します。

ただし、マッサージそのものが筋力トレーニングの代わりになるわけではありません。筋力や身体機能の改善には、その方の状態に応じた運動やリハビリテーションなどを組み合わせて考えることが重要です。

③ むくみなど身体状態を継続的に確認できる

活動量が低下している方では、特に脚などにむくみが見られることがあります。在宅マッサージでは、施術のたびに身体の状態を確認できるため、「以前より脚がむくんでいる」「身体の動かしにくさが強くなっている」といった変化に気づくきっかけにもなります。

なお、むくみには心臓・腎臓・血管などの病気が関係している場合もあるため、症状によっては医療機関への相談が必要です。マッサージだけで判断せず、必要に応じて主治医などと連携しながら対応します。

④ 定期的な訪問が生活への刺激になる

在宅療養が続くと、外出や人との交流が減りやすくなります。定期的に施術者が訪問し、身体に触れながら会話をすることは、身体面だけではなく生活への刺激にもなります。

「施術の日を楽しみにしている」「人と話す機会が増えた」といった変化は、在宅生活を続けるうえで大切な要素です。身体をケアするだけではなく、定期的に人と関わる機会をつくれることも訪問サービスの特徴といえるでしょう。

⑤ ご家族が身体の変化に気づくきっかけになる

毎日介護をしていると、少しずつ起こる身体の変化には気づきにくいことがあります。施術者が定期的に訪問することで、「以前より関節が動きにくくなっている」「身体のこわばりが強い」など、ご家族とは異なる視点から状態を確認できます。

もちろん訪問マッサージは診断を行うサービスではありませんが、身体の変化を継続的に見てもらえることは、ご本人だけでなく介護をするご家族にとっても安心材料の一つになります。

廃用症候群が進んでいても在宅マッサージは受けられる?

「すでに寝たきりに近い状態だけれど、今から在宅マッサージを始めても意味があるのだろうか」と悩むご家族もいらっしゃいます。

廃用症候群が進行している場合でも、身体状態によっては在宅マッサージを利用できます。必ずしも「歩けるようになること」だけを目的とするわけではなく、関節の動く範囲を維持する、身体のこわばりを和らげる、現在できている動作をできるだけ保つ、介護しやすい身体状態を目指すといった目的でケアを続けることも大切です。

ただし、適切な施術内容は基礎疾患や身体状態によって異なります。症状が進んでいるからと諦めるのではなく、まずは主治医や訪問マッサージ事業所へ相談してみることをおすすめします。

医療保険は使える?

在宅マッサージでは、一定の条件を満たす場合に健康保険による療養費の対象となります。厚生労働省では、あん摩マッサージ指圧の療養費について医師の同意書の様式を定めており、保険適用には医師による診察・同意など所定の要件があります。

そのため、「廃用症候群だから自動的に保険が使える」というわけではありません。筋麻痺や関節拘縮などの症状、通院の困難さ、医師の判断などを踏まえて対象となるかを確認します。保険が適用される場合の自己負担割合は、加入している健康保険や年齢、所得などによって異なります。

「自分の場合は保険の対象になるのか分からない」「医師の同意書をどう依頼すればいいのか分からない」という場合も、まずは事業所へ相談するとよいでしょう。

廃用症候群の在宅マッサージならフレアス在宅マッサージ(合同会社フォース)へ

神奈川県相模原市・座間市を拠点とする合同会社フォース(フレアス在宅マッサージ)では、廃用症候群や関節拘縮、筋力低下などにより外出や通院が難しい方への訪問施術に対応しています。

国家資格を持つ施術者がご自宅や施設へ訪問し、ご本人の身体状態や生活状況を確認しながら、一人ひとりに合わせた施術を行います。単にマッサージをするだけではなく、現在できている動きをできるだけ維持し、ご本人が在宅で生活を続けやすい身体状態を目指して継続的にサポートします。

「入院後から急に身体が動かなくなった」「退院してから寝ている時間が増えた」「関節が硬くなって介助が難しくなってきた」「訪問マッサージが利用できる状態なのか知りたい」といったご相談も可能です。

廃用症候群は、身体を動かさない期間が長くなるほど生活機能の低下につながりやすいため、気になる変化があれば早めに身体の状態を確認することが大切です。まずは相談だけ、無料体験からという方も、お気軽にフレアス在宅マッサージ(合同会社フォース)へお問い合わせください。

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